2016年12月21日

民朗の今年読んだ小説ベスト『ジャン・クリストフ』の紹介

『ジャン・クリストフ』は人生。


はてさて、今年読んだ小説で最高に素晴らしかった『ジャン・クリストフ』について紹介するのですが、出だしから変な感じで始めてしまった。ただ、これが本作を読んだ率直な感想でした。
本作について簡単に言いますと、主人公は楽聖・ベートーヴェンをモデルとしているジャン・クリストフという男です。彼が生れた瞬間(!)から、人生を終えるその瞬間までを丹念に描いた長大な大河小説です。尚、この小説によって作者であるロマン・ロランはノーベル文学賞を受賞しています。(フランス人としては3人目、小説家としては初の快挙)

本作は、ジャン・クリストフという男が、いかにしてこの世に生を受け、幼少期を過ごし、音楽に目覚め、青年期で恋におち恋に破れ、社会に反抗し反撃され、挫折し絶望を味わい、それでも戦い続け、音楽に一身を捧げ、そして死んでゆくまでを本当に緻密に描いています。正に一人の人生そのもの。読了したその瞬間、まるで長年親しんだ友人を亡くしてしまった様な喪失感すら感じてしまいました。
そしてその男、ジャン・クリストフの人生は、一言で言うと戦いそのもの。あらゆる絶望的状況にも負けず、あらゆることに戦いを挑み続ける姿には、あらゆる人が励まされること必死です。

また芸術を描いた作品としても非常に優れています。芸術を生み出すことの苦悩、芸術性を追求するのが是か・大衆性を求めるのが是かという永遠のテーマ、批評家からの攻撃に対する批判と親愛、ミューズの必要性、等々……。芸術を作る側・味わう側に関わらず、芸術に少しでも携わっていると思われる方には読んで絶対に損はしないと断言出来る程の深い思慮に富んでいます。

翻訳は岩波文庫版『レ・ミゼラブル』の翻訳など、名訳が多いことで知られる豊島与志雄さんです。
尚、私は小説を読んでいて覚えときたい名句をノートに書き溜めている、少し変な癖がある人間(単に忘れやすいだけ)なのですが、本作は今まで読んだ小説の中で、最も名句を抜き出した数が多い作品になりました。折角なので、下の方に全て書き写していますが、結構な分量になっているので、すべて読んで下さる奇特な方以外の為に、特にすげえな!と思った文章を少しだけ紹介します。気になったら是非書店でお買い求めください!




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posted by 民朗 at 18:56| 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年11月23日

民朗の戦争映画ベスト10

既に投票が始まっている、ワッシュさんの毎年恒例企画【戦争映画ベストテン】に今年も参加いたします。以下が私のベストテンです。尚、戦争映画は余り好んで観るタチではない為、正直意外性・面白みのないラインナップかも知れません。
それではどうぞ。

1.サウルの息子(2015年/監督:ネメシュ・ラースロー)
2.夜と霧(1956年/監督:アラン・レネ)
3.戦場のピアニスト(2002年/監督:ロマン・ポランスキー)
4.鬼が来た!(2000年/監督:チアン・ウェン)
5.ジョニーは戦場へ行った(1971年/監督:ダルトン・トランボ)
6.戦争のはらわた(1977年/監督:サム・ペキンパー)
7.M★A★S★H(1970年/監督:ロバート・アルトマン)
8.生きるべきか死ぬべきか(1942年/監督:エルンスト・ルビッチ)
9.野火(2014年/監督:塚本晋也)
10. プライベート・ライアン(1998年/監督:スティーヴン・スピルバーグ)

選定した理由としては、端的に言っちゃいますと”トラウマ”を深く植え付けられた順です。『M★A★S★H』や『生きるべきか死ぬべきか』は所謂コメディ映画でトラウマを植え付ける様な類の作品ではないですが、忘れ得ない作品となっているのでランクイン。
それではいかに短評をば。

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posted by 民朗 at 19:17| ランキング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年11月07日

第87回映画批評 『PK』が描き出す宗教の矛盾と必要性

第87回の映画批評は、『きっと、うまくいく』のタッグ再び!『PK』です。
宗教の紛争も起こっているインドで、宗教をテーマに描く意義とは?
ちょっとした関連として、坂口安吾の『堕落論』、京極夏彦の『魍魎の匣』を絡めて批評してみました。
本来、『ブリジット・ジョーンズの日記3』を短評にするつもりだったのですが、
つい長くなり過ぎた為、分割しました。そちらも宜しければお聴きください。
ご意見、ご感想、アドバイス等がございましたらメールアドレスまで宜しくお願いします。






坂口安吾が戦後の日本人を鋭く批評した『堕落論』



京極夏彦の百鬼夜行シリーズは宗教談義が多いので、興味のある方は是非どうぞ。
ミステリファンとしては絶対読んどけ!な作家でもあります。
ラベル:PK
posted by 民朗 at 22:56| 映画批評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

第86回映画批評 『ブリジット・ジョーンズの日記 ダメな私の最後のモテ期』に物申したい

第86回の映画批評は、11年ぶりとなるシリーズ3作目、
『ブリジット・ジョーンズの日記 ダメな私の最後のモテ期』です。
シリーズファンには間違いなくおススメできる作品でありながら、どうしても気になる部分があって?
少々偏狭な観方だとは自覚しておりますので、気分を害する方がいらっしゃいましたら申し訳ございません。
本来、『PK』の批評の前の短評のつもりだったのですが、つい長くなり過ぎた為、分割しました。
ご意見、ご感想、アドバイス等がございましたらメールアドレスまで宜しくお願いします。



posted by 民朗 at 22:45| 映画批評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年09月20日

第85回映画批評 秋の感動作2本立て 『怒り』と『聲の形』

第85回の映画批評は、9月公開の感動作『怒り』と『聲の形』です。
今回は贅沢に2本立てでお送りします。(実は一作の話の密度が小さいだけ)
公開されたばかりの映画ですが、ネタバレはしていませんので、未見の方もご安心してお聴き下さい。
2作とも原作との比較を交えながら批評してみました。
ご意見、ご感想、アドバイス等がございましたらメールアドレスまで宜しくお願いします。





ラベル:怒り 聲の形
posted by 民朗 at 21:58| 映画批評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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