以下「映画名」(監督)です。
2015年新作映画ベスト20
20位. 映画 みんな!エスパーだよ!(園 子温)
原作、ドラマ版共に未見。中学生的なしょーもないエロも集まれば強大なパワーを持つということを教えてくれた(本当にくだらない)お色気コメディ。エロいねーちゃんをたった2時間で1年分は観た気がした。
19位. バクマン。(大根 仁)
最も週刊少年ジャンプらしくない原作を、作品のエッセンスはそのままに週刊少年ジャンプ的な熱血青春モノに脚色されている点が大変良かった。小道具などの要素も、この主人公二人が本当に漫画を描いていると思わせる程に納得出来るものでした。
私の批評はコチラ。
18位. アリスのままで(リチャード・グラッツァー 、 ウォッシュ・ウェストモアランド)
若年性アルツハイマーによって記憶を徐々になくしていく女性を描いたドラマ。主人公は言語学者であるのに、言葉を失っていくんですよね。その悲しさったらない。しかもその言葉を忘れてしまって悲しいということすら忘れていくところまで描いている。今年の映画で一番残酷な映画だったかも。
17位. ジュラシック・ワールド(コリン・トレボロウ)
今年の怪獣映画の代表作。パークの危機だ、ヒロインの成長だ、生命の神秘だ、野生動物との絆だ、などと言いながらストーリーが進みますが、結局のところ、「恐竜界最強決定戦をやろうじゃないの!一匹はゲストとして俺が考えたさいきょうの恐竜を出すぜ!」という実に怪獣映画らしい発想の素晴らしい作品でした。
私の批評はコチラ。
16位. ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション(クリストファー・マッカリー)
『007/スペクター』が過去のシリーズの呪縛に捕らわれている一方で、今やM:Iこそが現代のスパイ映画の王道を作り続けているのだなと実感できた作品でした。なるべくスタントを排除して、己の体でアクションにチャレンジするその気概も買いたいです。
15位. 人生スイッチ(ダミアン・ジフロン)
今年最高のトラジェコメディ(悲喜劇)。老若男女、分け隔てなくブラックユーモアが利きまくった短編で構成される。アバンタイトルがオムニバスの一編になっているのですが、この一遍からオープニングタイトルに移る切れ味が素晴らしかった。
14位. スター・ウォーズ/フォースの覚醒(J・J・エイブラムス)
旧三部作(特にEp.4)への愛を存分に感じさせながら、現代に作られたと納得できる『スター・ウォーズ』を作り上げたバランス感覚が凄い作品でした。但し、Ep.4とは違い、新しい三部作の序章の序章という感は否めない。
13位. アントマン(ペイトン・リード)
マーヴェルとDCを筆頭に、1年に何作も公開される様になったアメコミ映画ですが、個人的には等身大のヒーロー像が大好きなので、本作は久々に「こういうのが観たかったんだ!」と心から思えたアメコミ映画でした。
私の短評はコチラ。
12位. 福福荘の福ちゃん(藤田 容介)
人気お笑いトリオ「森三中」の大島さんがモテない男性を演じるという、それだけだとネタにしか聞こえない映画なのですが、これが素晴らしいラブストーリーになっていた。正直言うと話自体はとても小粒。派手な展開はないし、実にスタンダードなラブストーリーと言える。でも全ての要素が丁寧に積み重ねられているからこそ、最後の展開に拍手が出来る。
11位. キングスマン(マシュー・ヴォーン)
今年は様々なタイプのスパイアクション映画が公開された年でしたが、その中でも最も異彩を放っていた作品は本作と言わざるを得ません。マシュー・ヴォーンの非凡さを再確認できる王道にして異端のスパイアクション。
10位. 奇跡の人 マリーとマルグリット(ジャン=ピエール・アメリス)
「ヘレン・ケラー物語」と同じく三重苦で生まれた少女の教育を描いたフランスの実話の映画化。本作が『奇跡のひと』と異なるのは生徒と教師の関係性が物語の後半で入れ替わること。この展開には涙が止まりませんでした。主演の女優さんは実際に聴覚障がいを持つ方なので、その演技のリアリティも十分。
9位. I LOVE スヌーピー THE PEANUTS MOVIE(スティーヴ・マーティノ)
原作ファンとしては文句ない仕上がりの映画になっていました。『PEANUTS』の本質を忘れずに、アニメ版への愛に溢れ、原作の画を大事にしている点が、とても嬉しかった。これで「Blue Sky Studio」の名も少し広まって欲しいですね。
私の批評はコチラ。
8位. 恋人たち(橋口 亮輔)
今年を代表する群像劇ということは間違い無いでしょう。それぞれのキャラクターの人生がどこかありふれているものなのが恐ろしい。そして最後にうっすらと見える希望に救われる。人生がどん詰まりになった時、もう一度観たい作品です。
7位. 百円の恋(武 正晴)
今年観ていて、とにかく心が一番痛かった映画。ここまで主人公を追い詰める映画に中々出会えないし、もし出会ったとしてもここまで心は痛まないだろう。だって本作の主演は安藤サクラなのだから。今後、彼女が演技派女優の代表になってしまうと、業界に立場が無い人が沢山いるだろう。それ程の熱演でした。
6位. フレンチアルプスで起きたこと(リューベン・オストルンド)
毎年、長回しが凄い映画というのは作られ続けていますが、静的な長回しでは本作が頭一つ抜けていた。一つの家族、夫婦がまるで本当に実在している様に思えるその演出力には恐れ入ります。家族が崩壊していき、また復活していく様を非常に自然的にじわりじわりと見せていく怖い映画です。
5位. 野火(塚本 晋也)
私の中でトラウマ映画と言うと『ジョニーは戦場へ行った』が筆頭だったのですが、それと同程度のレベルの作品になってしまいました。と言うかトラウマ映画ってのは子どもの頃に生まれることが多いと思うのですが(年を取るとショックに強くなる)、まさかこの年齢でトラウマを負ってしまうとは……。「死んでも行きたくない」という戦場を描けていると思うので、塚本監督的には目的は完璧に達成できているのは無いかな。
4位. マッドマックス 怒りのデス・ロード(ジョージ・ミラー)
誰もが認める所でしょうが、今年の映画で一番熱量が感じられた映画としては、本作以外にありえないでしょう。只管にアクション、アクション、アクション!!!こんなぶっ飛んだ映画は10年は観れないだろうと確信できる程のマッド(狂気)がビシビシ伝わる快作。
私の批評はコチラ。
3位. インサイド・ヘッド(ピート・ドクター)
子ども向け映画でありながら、大人向け映画でもある。子どもの頃に観て、大人の頃に観たら更に深みが増すであろう、私が思う最高の形のファミリー映画。
個人的にはオープニングのセンチメンタルなメインテーマに100点をつけたい。
私の批評はコチラ。
2位. バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)(アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ)
カーヴァーの『愛について語るときに我々の語ること』を劇中で演じておりながら、本編自体が同作と同じ構造で出来ており、その進行を即興的に見せておきながら、その実緻密に計算され尽くしたカメラワーク、役者の演技等に支えられているという、非常に凝った作品。もう劇場とDVD合わせて何回も観返していますが、その度に新しい発見や構成の見事さに惚れ惚れします。そして、今年一番心をグッと掴まされた作品でした。私は割と淡々と冷静に映画を観てしまうタチなのですが、主人公がクソ評論家に怒りをぶちまけるシーンは、無意識に劇場で主人公と一緒に叫び出しそうになっていた。そんな経験は今まで無かった。
私の批評はコチラ。

本作屈指の名シーン(自論)
1位. くちびるに歌を(三木 孝浩)
久々にオールタイムベストを更新した作品。私の中では音楽映画の最高峰の一つに数えていいとさえ思えます。「なんのために演奏するの?」「なんのために頑張るの?」ということを見事に描いている。映画に救われたと実感できたのは本当に久しぶり。作ってくれた役者・スタッフに心からお礼を言いたいです。ありがとう!!
五島列島の美しいロケーションをフルで活かしていたのも印象強い。いつか聖地巡礼で行くぞー。
私の批評はコチラ。
今年の更新はこれでおしまいです。それでは皆さん、良いお年をお迎えください。