1. ドラえもん のび太と鉄人兵団(1986年/芝山努)
2. もののけ姫(1997年/宮崎駿)
3. ファンタジア(1940年/ベン・シャープスティーン)
4. 男のゲーム(1988年/ヤン・シュヴァンクマイエル)
5. ウォレスとグルミット/ペンギンに気をつけろ!(1993年/ニック・パーク)
6. かぐや姫の物語(2013年/高畑勲)
7. GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊(1995年/押井守)
8. うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー(1984年/押井守)
9. ルパン三世 カリオストロの城(1979年/宮崎駿)
10. Mr.インクレディブル(2004年/ブラッド・バード)
次に各作品の寸評をば。
1. ドラえもん のび太と鉄人兵団(1986年/芝山努)
何と言おうと、私にとって、アニメ映画においてこの作品の位置は固定です。
人間とロボットの違いとは?ロボットに意志はあるか?ロボットは人間を超えられるのか?という問いを観客に投げかける超ド直球SF映画。
無人の鏡面世界でロボット兵と戦うという少年心をくすぐる藤子・F・不二雄先生のアイデアも相まって、少年時代に最も繰り返し繰り返し観た思い出の作品でもあります。
2. もののけ姫(1997年/宮崎駿)
エコや勧善懲悪な作品が多かった宮崎駿監督から突然生まれた第一次引退作品。セル画で描かれた原初的な日本風景の美しさ、これを本能的に理解できる国に生まれたことが本当に幸福に思えます。
綿密に時代考証し尽くされた作品でもあり、毎年一度は絶対に観直している作品でありながら、今でも観る度に新たな発見がある。
3. ファンタジア(1940年/ベン・シャープスティーン)
ディズニーによるアニメーションとクラシック音楽によるイマジネーションの洪水。
昔叔父の家で観た記憶がありますが、画面が美しすぎて自然に涙が出るという現象を初めて体験した作品です。それだけ只々打ちのめされた。
チャイコフスキーの『くるみ割り人形』、ムソルグスキーの『はげ山の一夜』のアニメーションを初めて観たときの衝撃は今でも克明に記憶に残っています。今でもこのチャプターは時々観ます。
4. 男のゲーム(1988年/ヤン・シュヴァンクマイエル)
チェコを代表するクレイアニメーション作家であり、独特の世界観を発表し続けているヤン・シュヴァンクマイエル。私はシュヴァンクマイエルの作品は短編・長編含めて観れる作品は全て観ていますが、どれか一つ選ぶならコレ。
あと日本版DVDは収録数が少ない上にとんでもない高額で販売されているので、ご覧になりたい方は上記にリンクを張った輸入盤が絶対にお勧めです。
彼の作品には共通していますが、ちょっとグロくて、飯を世界一マズそうに撮る(宮崎駿監督の対極!)ので観る際はご注意を。

こんなビジュアルも。子どもにはトラウマ物かも知れません。
5. ウォレスとグルミット/ペンギンに気をつけろ!(1993年/ニック・パーク)
4位に引き続きクレイアニメ。誰もが一度はビジュアルを観たことのある『ウォレスとグルミット』シリーズはどれも優れた短編アニメ(長編も一つある)ですが、この「ペンギンに気をつけろ!」は列車アクションあり、強奪アクションあり、スパイアクションあり、とハラハラする要素を詰め込んだ傑作です。またサスペンス演出はヒッチコック等の往年のクラシックを感じさせる一級品。それをあの可愛らしいキャラクターが演じるのだから堪らない。グルミットLOVE。
6. かぐや姫の物語(2013年/高畑勲)
『ファンタジア』で「画面が美しすぎて自然に涙が出る」体験を初めてしたと書きましたが、近年ならコレ。画面一コマ一コマから作り手の執念みたいな凄まじいエネルギーを感じます。時代に関係なく普遍的なストーリーも素晴らしい。
7. GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊(1995年/押井守)
“人間とは何か、自我とは何か、意識としての存在は人間足り得るのか”というテーマを描くご存知サイバーパンク哲学映画。答えがない問いを投げかけているので、何度見ても考えさせられるし、年齢を経る毎に見方も変わる傑作SF映画。オールタイムベストの一本でもある『MATRIX』に多大な影響を与えている偉大な作品。
8. うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー(1984年/押井守)
またもや押井守作品。デカルト的思想(唯我論)や胡蝶の夢を「うる星やつら」の世界にブチ込んだ結果、とんでもない作品になってしまった。賛否両論ある映画の代表作ですが、私は大好きです!
9. ルパン三世 カリオストロの城(1979年/宮崎駿)
最早、何も言う必要はないでしょう。ヒロイックな行動力、ダイナミックなアクション、謎を追うワクワク感、魅力的なお馴染みのキャラクター達、etc…。その全てに少年の頃、胸を躍らせて観てました。宮崎駿の描くルパンはTVシリーズの物も含めて全て大好きです。
10. Mr.インクレディブル(2004年/ブラッド・バード)
個人的なPIXARアニメベストワン。あらゆるジャンルにリスペクトを捧げるPIXARだからこそのクオリティ。この映画で好きな点を挙げるとキリがないのですが、最も好きなのはラストの悪役の末路。この映画の悪役はヒーローオタクをこじらせた大人なのですが、一方で「ヒーローとしてもやっていけるよ!」という大人像も提示する。一義的な着地点に持っていってない所が本当にすごい。ブラッド・バードは同じことを『レミーのおいしいレストラン(私見PIXAR映画ベスト2)』でもやっていて、私にとって非常に信頼できる監督の一人。
以上でした。