2015年07月20日

第73回映画批評 『インサイド・ヘッド』は『トイ・ストーリー』の正当後継作品だ!

第73回の映画批評はピート・ドクター監督の新作『インサイド・ヘッド』です。
本作がPIXARの傑作『トイ・ストーリー』や『モンスターズ・インク』に似ていると思った部分とは?
ピート・ドクター監督のフィルモグラフィも踏まえて批評してみました。
ちょっとだけ細田守監督の最新作『バケモノの子』と、本作と設定が似ていると指摘されていた
『脳内ポイズンベリー』についても話しています。
ご意見、ご感想、アドバイス等がございましたらメールアドレスまで宜しくお願いします。



posted by 民朗 at 22:44| 映画批評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年07月11日

いい歳した男による『花のち晴れ 〜花男 Next Season〜』の紹介

いままでの漫画紹介は少年漫画ばかりでしたが、今回は少女漫画についてレビューしたいと思います。
今回ご紹介する漫画はコチラ
『花のち晴れ 〜花男 Next Season〜』
花のち晴れ 〜花男 Next Season〜 1 (ジャンプコミックス) -
花のち晴れ 〜花男 Next Season〜 1 (ジャンプコミックス) -

作者は神尾葉子さん。そして副題についている“花男”というワードからピンと来る人も多いと思いますが、本作は伝説的大ヒットを飛ばした少女漫画『花より男子』の続編(スピンオフ)作品です。


『花より男子』といえばアニメ化、数回の実写ドラマ化(台湾版・韓国版を含む)、ミュージカル、そして映画化作品と様々なメディア展開もされ、少女漫画としては異例の大ヒットとなったからご存知の方も沢山いらっしゃるでしょう。私も実は姉の影響で漫画は中学生の頃に全巻楽しく読んでました(姉は自分が好きなものを無理矢理私に薦めてくるタチだったので)。

まあ、知らない方のために、前作の『花より男子』のストーリーを簡単に書いてみると……
(あらすじ)
名門として知られる英徳学園高校に、ある理由から入学した一般庶民の牧野つくし。 学校は、超御曹司のグループF4(Flower 4―“花の四人組”)に牛耳られていた。 学校は、F4の親から多額の寄付を受け、生徒・教師達は彼らに逆らう事が出来なかった。つくしは、それに違和感を持ちながらも、平凡な高校生活を送ろうとしていた。
ところがある日、つくしはF4に花瓶の水をかけた事が原因で、F4に赤札を貼られ、学校全体からいじめのターゲットにされてしまう。 しかし、正義感の強いつくしは彼らの性根を叩き直さんとばかりに立ち向かって行く。
そんな中、道明寺はつくしのことを好きになってしまい、次第に2人の想いは通じ合っていくが、様々な事情が彼らの恋路を阻むようになる。(Wikipediaより抜粋)

まあ典型的なラブコメですね。初っ端は印象最悪で、身分も何もかも違う男女がだんだん惹かれ合っていくという、ド直球なストーリーです。その中で色々な恋のすったもんだが起きる訳ですが、まあそれも定番故に面白いのですよ。各エピソードのデイテールは原作が全37巻と長大なため、ここでは紙幅が無いので割愛しますが、大ヒットしたことにはそれだけの理由がある、面白いラブコメなのです。

しかし、この『花より男子』が実写ドラマ化し(最も有名で且つヒットした井上真央、松本潤が主演したバージョン)、映画化された時点で、「このストーリーっておかしいんじゃねえの?本当は嫌な話じゃねえの?」とラジオで指摘した方がいました。

映画『花より男子 FINAL』も超ヒット。但し映画としては良くあるテレビスペシャル的な感じで個人的にはあまり面白くなかった。

誰かと言いますとライムスターの宇多丸さんです。映画好き界隈では大変有名ですが、宇多丸さんはご自身のラジオ番組で長年映画の評論や紹介をしているほど、映画に非常に精通されている方で、ある時にこの『花より男子』を特集として扱ったことがありました。
その内容はコチラで聞けます。お時間ある方は是非どうぞ↓


お聞きになれば分かる通り、宇多丸さんの仰っている内容は完全に正論です。貧乏人ということだけでいじめを繰り返していたF4の面々はどう考えても最低の輩ですし、そのいじめにあっていた人たちはその後に悲惨な人生を送ったかも知れませんが、それに対するフォローも殆どありません。昔漫画で読んでいた時には余り気になっていなかったのに不思議なものです。

さて、今回の『花のち晴れ 〜花男 Next Season〜』はその点どうなっているのでしょうか。まずは簡単にまとめたストーリーをご覧ください。
(あらすじ)
舞台は『花より男子』から2年後の英徳高校。F4が在籍していたのも今は昔、名門と呼ばれた英徳高校は落丁の一途を辿りつつある。そこでかつてのF4の様に学園を支配し、学園から庶民を排除しているのはコレクト5と呼ばれる5人の男女。
そのリーダー・神楽木晴(かぐらぎハルト)は喧嘩が弱いにもかかかわらず、F4のリーダー・道明寺司に憧れるあまり怪しげな通販グッズで体を鍛えるという完全に間違った方向に突き進んでいた。
ある時、同じ英徳高校に通う江戸川音(えどがわおと)はその晴(ハルト)の秘密を知ってしまう。また、音(おと)は英徳高校に通うにも関わらず完全に中流家庭に生まれた庶民であった。晴の恥ずかしい秘密を知ってしまった音は口封じのためにコレクト5によって学園から追放されると思い詰めるが、その想像とは異なり晴は音に段々惹かれていく……。

はい、基本設定は『花より男子』と全く同じです。庶民の女の子と超絶金持ち坊ちゃんとの恋愛なのですが、本作では坊ちゃん役の神楽木晴のキャラクター性が道明寺司とは大きく変わっています。道明寺司は喧嘩が滅法強く、気に入らない相手は暴力で従わせ(*)、しかも金持ちだから金で何でも揉み消せるという、とても褒められたモンじゃない男でしたが、それに対し神楽木晴は自分の腕っぷしの弱さにコンプレックスを抱えている設定となっています。それが音と出会うことでコンプレックスを克服していくというストーリー展開となっています。
これは道明寺司が、世の少女らが思い描く完璧な男性像として描かれたことと完全に正反対のキャラクター像です。喧嘩に弱いけども、なんとか勇気とちっぽけなプライドのために戦おうとする晴には『花より男子』があまり楽しめなかった男性も好意的に見えるのではないでしょうか。
この『花のち晴れ 〜花男 Next Season〜』は少年ジャンプ+というネット媒体の雑誌連載となっているので、最新話はタダで読めます。今月発売したばかりの第1巻を読めば直ぐに続きから読めるので、気になった方は1巻を読んでみては如何でしょうか?20代半ばの男が言うのもなんですが……、結構面白いですよ(笑)

*割と少女漫画では喧嘩が強い男がカッコいい奴として描かれるので結構複雑に感じたりする
posted by 民朗 at 07:45| 漫画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする